ブラシ式油回収装置

ブラシコンベアー
図は、剛毛ブラシをチェーンに取り付けコンベアー状に配置したブラシコンベアーによる回収原理図です。回転しているブラシコンベアーに水面上の油を図中矢印の方向に誘導すると、油は剛毛ブラシに付着或は引っ掛けられて、水と分離され、コンベア一の回転によって上部に運ばれます。この方式では油に混入した油塊や漂流海草等のデブリに加えて、海上に散布した油吸着マットも油と一緒に水面から引き上げられます。剛毛ブラシに付着或は引っ掛けられた油やデプリはコンベアー上部に設けられたブラシ・クリーナーによって剛毛ブラシから分離されます。ブラシ・クリーナーでは、図のように、あたかも女性が髪に付いたゴミを櫛ですき取るように、クリーナーのV字型に設けられた溝と傾斜が、剛毛ブラシを絞り、油をすき取ります。この作用は、連続的に行われます。
ブラシ式油回収装置は、前述のような簡単な原理と構造ですが、既存の方式にはない優れた長所を沢山持っています。
  • 少々の波でもブラシが海水にある間は回収を続けます。
  • 油の粘度が高くなるほど回収能力が高まります。
  • デブリや浮遊ゴミの存在に左右されません。
  • 回収物に含まれる水の割合が極めて低いため回収物の油水分離や大容量の回収物一時貯蔵庫は不要です。
  • 比較的小さく、軽量のため、簡単に運べます。
  • 使い易く、信頼性が高く、使用後の手入れが容易です。
  • 稼働部分が少ないため故障が少なく長持ちします。
  • 簡単な構成のため、他の方式と比較して安価です。

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